アインソフ談】 メインタイトルレビュー
ネタバレ参考
この映画、普通に見ると正直凡作である。
ジェット・リー以外の良さは正直ないが、そもそもこの映画、ジェット・リーが『マトリックス リローデッド』のオファーを蹴ってこの映画に出たことを考えて見るべきだ。
パラレルワールドを行き来し唯一になると超人的な力を得るという設定と
そのために他次元の自分自身をイレーズしにいくという動機付けが気にかかる。
設定を飲み込むのには、映画の説明文を読んでから見るとわかる。設定そのものはマルチバース(多元宇宙)+超弦理論と捉えられる。「宇宙は複数存在し、現在の宇宙や未来、過去の宇宙もありうる」という前提から、量子トンネルを使ったワープ(描写方法が情報の再構築)が可能になっている未来文明の世界から、もう一人のジェット・リーがやってくる。
この辺り、過去・未来の世界観とでも言うべき線状の時間の流れが、「レコードのように決まった運命を辿る」ターミネーターの設定とは一線を画す。(そもそも時間は概念であって現在という結果の連続(過去・未来)でありタイムマシン的なものが存在するならそれはマルチバースな世界を旅する事と察する。)
ラストの経緯がいまいち釈然としなければ、宗教的宇宙観(天国と地獄)があれば着眼センスのよさを感じる作品だ。実はラストはほっこりするし最後の回収の仕方やオチで”悪のジェットリー”の末路には笑える。多次元宇宙論からも「六道の辻」
六道珍皇寺本堂と「六道の辻」 中心付近に建つ三界萬霊供養塔 「六道」とは、仏教の教義でいう地獄道(じごく)・餓鬼道(がき)・畜生道(ちくしょう)・修羅(阿修羅)道(しゅら)・人道(人間)・天道の六種の冥界をいい、人は因果応報(いんがおうほう)により、死後はこの六道を輪廻転生(りんねてんせい)する(生死を繰返しながら流転する)という。 ...
の地獄(阿修羅道)を連想俯瞰するにはもってこいのSF映画だ。

死後の裁き 〜地獄の審査フロー〜

待ち構える8つの地獄
ここからも、惑星地球が肉体をまとった「試しの生涯(実験霊魂精錬惑星)」であることは間違いない。